あらすじ
健太のスマホに、まだ着信していない電話の留守番メッセージが届く。
再生するたび、メッセージは数分先の健太の声へ変わり、部屋に入ってくるものを説明し始めた。
健太
悠真、さっき電話した?
悠真
してない。何で?
健太
留守電が入ってる。発信者が悠真。
悠真
番号偽装じゃない?
健太
声もお前なんだよ。
悠真
何て言ってる?
健太
「三分後に電話するな」って。
悠真
じゃあ電話しない。
健太
今、この通話は何なんだ。
悠真
こっちは健太からかかってきたよ。
健太
俺は履歴から押しただけ。
悠真
次の留守電はある?
健太
今増えた。発信者は俺。
悠真
自分から自分に?
健太
「玄関を開けるな」って俺の声。
悠真
鍵かけてある?
健太
うん。でも外で鍵を回す音がする。
悠真
チェーンもかけろ。
健太
かけた。三つ目が来た。
悠真
再生しないほうがいい。
健太
勝手に再生された。
悠真
何て言ってる?
健太
「チェーンは意味がない」
悠真
窓から外へ逃げられる?
健太
五階だ。無理。
悠真
次のメッセージの時刻は?
健太
二分後。録音時間は一分。
悠真
まだ録音されてないはずだよな。
健太
中で俺が誰かに謝ってる。
悠真
誰に?
健太
分からない。最後に俺じゃない声で「次はあなたが電話する番」と。
悠真
健太、今こっちのスマホも鳴り始めた。

