雨の夜の古新聞

あらすじ

雨の夜、佳奈の玄関前に、毎日一部ずつ古い新聞が置かれる。

不気味に思って調べた二人は、それが怪異ではなく、忘れられていた小さな約束の続きだと知る。

佳奈
佳奈

由美、また新聞が置いてある。
念のため、今わかっていることを順番に確認しよう。

由美
由美

昨日も言ってたやつ?
今のところ、それ以外に変わった様子はない。

佳奈
佳奈

うん。今日は二十年前の日付。
少し待って。もう一度、周りを確かめてみる。

由美
由美

誰かの嫌がらせかな。
慌てずにいこう。変化があったらすぐ伝える。

佳奈
佳奈

でも毎日、日付が一日ずつ進んでる。
見間違いかもしれないけど、気になったことは全部話す。

由美
由美

管理人さんに聞いた?
分かった。こっちでも考えながら聞いてる。

佳奈
佳奈

昔この部屋に住んでた人が購読してたって。
念のため、今わかっていることを順番に確認しよう。

由美
由美

二十年前の新聞を?
今のところ、それ以外に変わった様子はない。

佳奈
佳奈

認知症のお父さんのために、昔の日付を読み直してたらしい。
少し待って。もう一度、周りを確かめてみる。

由美
由美

その人は今どこに?
慌てずにいこう。変化があったらすぐ伝える。

佳奈
佳奈

娘さんは引っ越した。お父さんは施設へ。
見間違いかもしれないけど、気になったことは全部話す。

由美
由美

じゃあ誰が置いてるんだろう。
分かった。こっちでも考えながら聞いてる。

佳奈
佳奈

防犯映像を見せてもらった。
念のため、今わかっていることを順番に確認しよう。

由美
由美

何か映ってた?
今のところ、それ以外に変わった様子はない。

佳奈
佳奈

隣の小学生だった。
少し待って。もう一度、周りを確かめてみる。

由美
由美

え?
慌てずにいこう。変化があったらすぐ伝える。

佳奈
佳奈

古紙置き場で見つけて、日付順に並べてたって。
見間違いかもしれないけど、気になったことは全部話す。

由美
由美

何のために?
分かった。こっちでも考えながら聞いてる。

佳奈
佳奈

前の住人が戻ってきたら喜ぶと思ったらしい。
念のため、今わかっていることを順番に確認しよう。

由美
由美

ちょっと安心した。
今のところ、それ以外に変わった様子はない。

佳奈
佳奈

私も。明日、その子にお礼を言う。
少し待って。もう一度、周りを確かめてみる。

由美
由美

新聞はどうするの?
慌てずにいこう。変化があったらすぐ伝える。

佳奈
佳奈

管理人さんが娘さんへ連絡してくれた。
見間違いかもしれないけど、気になったことは全部話す。

由美
由美

よかった。
分かった。こっちでも考えながら聞いてる。

佳奈
佳奈

今夜の分だけ、雨に濡れないよう玄関の中へ入れた。