あらすじ
琴音の部屋に、宛名も差出人も逆さまに印刷された荷物が届く。
箱の中には、まだ捨てていないはずの私物が詰められていた。
友人の明日香に相談しているうちに、荷物は未来の部屋から送られてきたような中身へ変わる。
最後に残った伝票には、集荷場所として琴音の現在地が記されていた。
琴音
明日香、荷物送った?
明日香
送ってないよ。
何か届いたの?
琴音
私宛ての箱。
でも文字が全部逆さま。
明日香
海外便とか?
琴音
住所も日本語。
鏡で見ると読める。
明日香
差出人は?
琴音
私の名前。
明日香
自分で送ったの忘れてない?
琴音
中に、今朝なくしたイヤリングが入ってる。
明日香
部屋のどこかにあったんじゃない?
琴音
あと、まだ使ってる歯ブラシも。
明日香
今、洗面所にある?
琴音
見に行ったら消えてた。
明日香
箱を閉じて外に出て。
琴音
待って。
底に写真がある。
明日香
何の写真?
琴音
私の部屋。
家具が全部なくなってる。
明日香
引っ越した後みたいな?
琴音
うん。
壁に今日の日付が書いてある。
明日香
それ今日撮られたってこと?
琴音
写真の窓に、私が映ってる。
今と同じ服。
明日香
宅配会社に電話して。
琴音
伝票の番号が存在しないって。
明日香
配達員は覚えてる?
琴音
顔が見えなかった。
ずっと箱の後ろに隠れてた。
明日香
玄関の鍵をかけて。
琴音
かけた。
でも外で台車の音がする。
明日香
のぞき穴は見ないで。
琴音
伝票がもう一枚出てきた。
集荷場所は「この部屋」。
品名は「残っているもの全部」って。

