あらすじ
閉店後の衣料店で、奈々は使用中のまま消えない試着室ランプを見つける。
カーテンの下には足が見えるが、声をかけても返事はない。
友人の朋香と連絡を取りながら確認すると、試着室の鏡には店内より一人多く映っていた。
その一人は、奈々が外へ出るための服を選び続けていた。
奈々
朋香、店にまだいる?
朋香
もう駅。
忘れ物?
奈々
試着室、誰か残ってるか確認した?
朋香
全部見たよ。
誰もいなかった。
奈々
三番だけ使用中のランプがついてる。
朋香
センサーの故障じゃない?
奈々
カーテンの下に足が見える。
朋香
お客さんなら声かけなきゃ。
奈々
かけた。
返事がない。
朋香
店長を呼んで。
奈々
電話に出ない。
足だけ向きを変えた。
朋香
奈々のほうを向いた?
奈々
うん。
靴が私と同じ。
朋香
カーテン開けないで。
奈々
隣の鏡から中が少し見える。
朋香
何がいるの?
奈々
誰もいない。
でも鏡には私が二人映ってる。
朋香
もう一人は何してる?
奈々
三番の中で服を選んでる。
朋香
どんな服?
奈々
今、私が着てる制服。
朋香
それ選ぶ必要ないよね。
奈々
鏡の私、制服を脱いだ。
下に私服を着てる。
朋香
帰る格好みたい。
奈々
でも私は着替えてない。
朋香
出口まで走って。
奈々
走った。
自動ドアが開かない。
朋香
鏡の中は?
奈々
もう一人の私が先に店を出た。
三番の足は消えて、入口の外に立ってる。
